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オープニングテーマ 緑黄色社会 オフィシャルインタビュー

―『薬屋のひとりごと』は、SNSでの好反応はもちろん、各種配信サイトで軒並みトップに入るなど大反響となっていますが、反響をどのようにご覧になっていますか?

長屋:もともと原作のファンで面白さを知っていたので、絶対人気になるだろうなと思っていたんですけど、実際に色んな配信サイトで上位に入っているのを見て、世の中に浸透しているんだなっていう実感が湧いてとても嬉しかったです。ライブのスタッフや友人が「アニメ観てるよ」と声をかけてくれることも多くて、そのたびにニヤニヤしていました(笑)。
穴見:『薬屋のひとりごと』ファンの皆さんの愛あるSNS投稿を見るたびに胸が熱くなるというか、改めて「花になって」を作ることができて嬉しかったです。

―1話が始まった時のSNSではOP映像でとても盛り上がっていました。放送でオープニング映像としてご覧になった時はいかがでしたか?

小林:サビのあたまで、猫猫がメタモルフォーゼをするところ。あそこが好きです。
peppe:後半で、猫猫が色気のある化粧を施して、大人っぽい一面を見せてくるあのギャップがたまらないですね。
長屋:原作ファンとして、キャラクターが動いていること。たとえば瞬きとか、それぞれの仕草に感動しましたね。
小林:最近のアニメの中でも、ひとコマひとコマの画の滑らかさに注力されているなっていうのを感じて、初めて見た時とても驚きました。

―改めてオファーをもらった時のお気持ちはいかがでしたか?

長屋:飛び上がりましたね。スタッフから話があった時に、「薬屋の…」と言葉が出た瞬間に「もしや!?」となって。もともと自分がハマって好きだった作品のオープニングテーマに携われることがとても嬉しくて、作品の世界観を知っていたからこそ、強くて新しい楽曲が生まれるんじゃないかなとすぐにワクワクしましたね。

―楽曲への反響はいかがでしょうか?

穴見:親戚の子どもたちが、よくサビを歌ってくれています(笑)。そういうものを見ていると、キャッチーなものが作れたのかなという自負がありつつ、今後の糧にしたいとも思いますね。
長屋:カバー動画とかも多く見るようになって、今までと違った広がり方をしているんだなと実感できて嬉しいです。
peppe:「サビが頭から離れない」、「中毒性があるね」と知り合いのアーティストに言っていただくことも多くて、それも嬉しかったですね。

自分の魅力に気づけるような歌詞にしたいと思って作りました。

―制作陣からはどのようなオファーがありましたか?

穴見:オファーの段階から、「中毒性とキャッチーさがほしい」という話をいただいて、メンバー全員で真摯に取り組みました。「中毒性」という部分で、原作と親和性があると思って最初に作ったのが、オープニング映像の終盤に出てくるピアノのフレーズなんです。そこからどんどん膨らませていったんですけど、猫猫が持つ“無邪気さ”と“妖艶さ”の両方を出せたらと思って、Aメロは元気な感じ、Bメロは儚いイメージで進めていきました。

―この作品全体と、主題歌の曲調のギャップが、猫猫自身の2面性をより引き立ててくれるように感じました。意識された部分などはあるんでしょうか?

穴見:ギャップを意識したっていうわけではなかったんですけど、人気作品のアニメ化ということで、僕たちとしてもかなり気合いが入っていたことが「花になって」の力強さに繋がったのかな思います。それと、猫猫の二面性みたいなところと、ミステリー的な場面に切り替わった瞬間の空気感がこの作品の重要なポイントだと感じたので、楽曲の展開を作っていくうえで意識しましたね。

―物語が進んでいくにつれて見えてくる猫猫の魅力が、歌詞にもふんだんに盛り込まれていました!「自己愛」をテーマにとオーダーもあったそうですが、歌詞はどのように作られていきましたか?

長屋:猫猫のキャラクター性を出したいと思いつつ、それを「自己愛」という切り口でどう表現しようかなというところから書き始めたんですけど、「私のことを好きになりたい」っていう表現ではなくて、今回は「自分の素敵さに気づいてほしい」っていう方向で届けたいなと思って書き進めましたね。というのも、猫猫が自分のことに無頓着で、でもそういう姿が読者や視聴者の皆さんにとって愛おしかったり、好きだったりすると思うので、そういう目線で表現したかったのと、自信がない方々にとっても自分の魅力に気づけるような歌詞にしたいと思って作りました。

―第1クールの中で、印象に残っているエピソードはございますか?

長屋:猫猫が家に帰って、おやじと布団を近づけて寝るシーンです。猫猫が普段見せない甘えるような一面を見てホッコリしました。
小林:11話の、阿多妃とのことがあって壬氏さまが初めて猫猫にすがるシーン。放送から1週間は後に引きましたね。
peppe:猫猫が里帰りした時に、壬氏さまの状況を面白がっている玉葉妃の表情が好きでした。
穴見:幽霊騒動のラストシーン。後宮のシステムの中での息苦しさ、リアリティのある言葉が芙蓉妃から出ていて、音楽も相まって印象的でしたね。

―お気に入りキャラクターは?

長屋:猫猫はもちろん好きなんですけど、一番は壬氏さまですね。ヴィジュアルは完璧だけど性格は完璧すぎない感じがギャップがあって好きですね。
小林:小蘭です。必ず同じテンションで登場してくれるので安心します。
穴見:僕は高順ですね。高順といる時の壬氏には不甲斐なさも出ていて、信頼できる良い同僚という感じがして好きです。
peppe:私も小蘭が好きだったんですけど、今の推しは里樹妃です。とても若くして後宮に入ったと思うんですけど、まだ人生経験が浅くて、ウブで、みたいなところに可愛さを感じています。

―最後にファンのみなさんへメッセージをお願いします。

長屋:改めて、こんなにも素敵な作品に、オープニングテーマとして関われたことが本当に嬉しいですし、これからも長く愛されていく作品になっていくと思うので、私たちも猫猫たちの行く末を楽しみにしつつ、いちファンとして、登場人物が思いを遂げられたらと良いなと思っています。
小林:これからも変わらずリアタイを続けていきたいなと思います。あとは、日向夏さんのXのポストを毎回楽しみにしています。

緑黄色社会

高校の同級生だった長屋晴子(Vo, G)、小林壱誓(G)、peppe(Key)と、小林の幼馴染・穴見真吾(B)によって2012年に結成された愛知県出身の4人組バンド。2013年に10代限定のロックフェス「閃光ライオット」で準優勝したのを皮切りに活動を本格化させる。2018年に1stアルバム「緑黄色社会」をリリースし、それ以降、映画・ドラマ・アニメの主題歌を多数手がけるなど躍進。2020年発表のアルバム「SINGALONG」は各ランキングで1位を獲得し、リード曲「Mela!」はストリーミング再生数が3億回を突破するバンドの代表曲に。2022年9月には初の東京・日本武道館公演を2日間にわたり開催し、同年12月に「NHK紅白歌合戦」への初出場を果たした。翌2023年5月にアルバム「pink blue」を発表。9月にフジテレビ系月9ドラマ「真夏のシンデレラ」の主題歌を表題曲としたシングル「サマータイムシンデレラ」、12月に8thシングル「花になって」をリリース。また12月から2024年1月にかけて3都市6公演のアリーナツアー「リョクシャ化計画2023-2024」を開催した。

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